慰謝料を請求すると決めた、あるいは決めかけている。次に知るべきは金額ではなく手順です。どこから始まり、どこで終わり、どこで専門家が要るのか。全体像を先に置きます。
- 証拠の確認 — 不貞行為を示せる証拠がそろっているか
- 相手の特定 — 氏名・住所(送達先)が分かっているか
- 請求方法の選択 — 自分でやるか、弁護士に頼むか
- 内容証明の送付 — 請求の意思・金額・期限を記録に残る形で通知
- 交渉 — 金額・支払い方法・条件のすり合わせ
- 合意書の締結 — 清算条項・接触禁止条項を入れて書面化。合意できなければ調停・訴訟へ
ステップ1と2が欠けたまま3以降には進めません。証拠が不安なら浮気の証拠の集め方、相手が誰か分からないなら浮気相手の特定が先です。
自分でやる場合: できること・限界
弁護士なしでの請求は法律上可能で、実際に本人同士の交渉で示談に至るケースもあります。向いているのは、相手が事実を認めていて、金額の合意だけが論点という状況です。
限界もはっきりしています。
- 相手が争う姿勢に転じた・弁護士を立てた時点で、交渉力の差が出やすい
- 感情的な文言が混ざると、脅迫と受け取られるリスクを自分で作る
- 合意書の詰めが甘い(清算条項が無い等)と、解決したはずの問題が再燃する
途中から弁護士に切り替えることは可能ですが、自分で送った文面や発言は後から消せません。争いになりそうな見込みが少しでもあるなら、最初から専門家の文面で進めるほうが安全です。
弁護士に頼む場合の費用の目安
複数の法律事務所が公開している料金の集約で、目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 相談料 | 無料〜30分5,000円程度 | 初回無料の事務所が多い |
| 着手金 | 10万〜20万円程度 | 結果に関わらず発生 |
| 成功報酬 | 回収額の10〜20%程度 | 事務所により固定額の場合も |
依頼前に「回収見込み−費用」の手取り額を必ず確認してください。見込める金額の相場は不倫の慰謝料の相場(50万〜300万円・条件で増減)で先に把握できます。
時効だけは待ってくれない
請求権の時効は、不貞の事実と相手を知ったときから3年です(民法724条)。「気持ちの整理がついてから」と保留している間も進行します。時効が近い場合は内容証明などで手を打つ必要があるため、発覚から時間が経っている人ほど、スケジュールを先に確認してください。
流れ全体の出発点は、やはり証拠
ここまでの手順は、すべて「不貞行為を示す証拠がある」前提で動きます。証拠が弱いまま請求すると、否認されて終わるか、大幅な減額を受け入れることになりがちです。手持ちの証拠で足りるのか、行動調査で補強すべきなのかは、探偵の無料相談で先に見立てを取れます。
まとめ
- 流れは証拠→特定→方法選択→内容証明→交渉→合意書。入口は常に証拠
- 本人請求は「相手が認めていて金額だけが論点」の場面向き。争いの気配があれば弁護士
- 弁護士費用は着手金10万〜20万円+成功報酬が中心。手取り計算を依頼前に
- 時効3年は迷っている間も進む
よくある質問
弁護士費用を払うと赤字になりませんか?
請求額が小さい場合はありえます。目安として、見込める慰謝料が100万円なら、費用を引いた手取りを事前に計算する価値があります。多くの法律事務所が無料相談で回収見込みと費用を提示するので、依頼前に赤字リスクを数字で確認してください。
内容証明は自分で送れますか?
送れます。郵便局の内容証明郵便で、請求の意思と金額、期限を記載して送るのが基本形です。ただし文面の法的な詰め(事実の特定・根拠条文・過大請求の回避)が甘いと、相手方の弁護士に反論の入口を与えます。文面だけ弁護士に作成依頼する方法もあります。
配偶者と浮気相手、両方に請求できますか?
不貞行為は2人の共同不法行為なので、両方への請求も片方だけへの請求も可能です。ただし二重取りはできず、合計額は1つの損害の範囲内です。浮気相手だけに全額請求すると、相手が配偶者に負担を求める(求償)ことがあり、家計としては戻ってくる形になる点も考慮が要ります。
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